【川崎幸病院】 医療DXで業務を効率化
川崎幸病院では、業務効率化と働きやすい環境づくりを目的に、生成AIとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を組み合わせ、独自開発による2つの医療DXシステムの運用を開始しました。 いずれも、看護師の業務時間短縮と業務負担軽減を実現しています。
1つ目は「退院サマリー自動生成システム」です。これまで医師・看護師・リハビリがそれぞれサマリーを作成していました。 サマリーの作成には、電子カルテの情報を整理しながら文章をまとめる必要があり、多くの時間を要していました。 新システムでは、医師・看護師・リハビリのそれぞれサマリーを集約し、翌日退院予定の患者情報をRPAが電子カルテから自動で抽出して、夜間のうちに退院サマリーを生成AIが作成します。 翌朝には完成したサマリーが閲覧可能な状態になっており、内容を確認するだけで済むようになりました。 この仕組みにより、1人あたり数十分を要していた作業時間の短縮が期待され、患者と向き合う時間を確保しやすくなっています。
2つ目は「褥瘡(じょくそう)診療計画書自動生成システム」です。入院患者の褥瘡管理においては、発生の有無にかかわらず診療計画書の作成が必要ですが、これもまた看護師にとって時間のかかる業務でした。 このシステムでは、入院3日目にRPAが電子カルテから必要な情報を自動で拾い上げ、褥瘡の有無に応じた計画書を生成AIが作成します。 褥瘡がある患者については、専用端末で簡単なテンプレートの入力と写真撮影すれば、自動で褥瘡計画書が作成されます。これにより、看護師は入力作業を省き、ケアの質を維持しながら業務の効率化を実現しています。
これら2つのシステムは、現場の声をもとに開発されたものであり、「こうあったらいい」を形にした取り組みでもあります。 川崎幸病院では今後も、医療現場に寄り添ったDXを推進し、より安全で質の高い医療提供体制を整えていく考えです。

退院サマリー作成イメージ

褥瘡診療計画書作成イメージ