海燕 100号 2025年11月

【特集①】
海燕100号発行にあたり
【特集②】
石心会グループの財務状況と投資計画の話
【コラム】
石心会の歩み

特集 ❶ 海燕100号発行にあたり

石心会グループ広報誌《海燕》100号発行に寄せて 社会医療法人財団石心会 理事長/川崎幸クリニック 院長 杉山 孝博

「海燕」100号に寄せて
石心会グループ内部広報紙「海燕」が100号を迎えることになりました。石心会グループの管理者や職員が、グループの理念、運営方針、課題、現状などを共有することで、医療・福祉事業を積極的に推進することを目的として2000年2月に第1号が発刊されました。
M.ゴーリキーの散文詩「海燕の歌」の「海燕は…、暗雲と雷鳴を切り裂いて一直線に飛翔する」から、紙名が名づけられたように、変転する医療・福祉の世界で、一貫した方針を掲げて進んでいこうという決意がうかがわれます。
石心会の歩みと私の関わり
1973年6月に川崎幸病院が開設され、2000年2月には石心会グループの事業所は9か所になり、現在では31事業所に拡大しています。
個人的なことになりますが、私が川崎幸病院に常勤職員として就職してから、今年10月で満50年を迎えます。臨時当直や非常勤で外来診療を担当した期間を加えると、52年近くになります。川崎幸病院が開設されてから53年目になることを考えれば、石心会の歴史のほぼすべてにかかわったことになります。
100号記念にふさわしいかどうかかわりませんが、本欄では、ほとんどの職員が知らない石心会の歴史を取り上げたいと思います。
開院当初の挑戦と危機
開院にあたり、「医療に?を持つ人材を求む」という異色の募集広告を看護学雑誌に掲載したところ、50名の応募が殺到したのは驚きでした。当時、基準看護でない64床の病院で正看が多くを占めていた病院はありませんでした。
地域の社会問題となっていたアルコール依存症患者の入院を受け入れましたが、ナースの指示を受け入れない患者が少なくないため、ナースの不満が募り、一斉退職、病棟一部閉鎖という事態に発展し、発足2年目で経営危機に陥りました。
血液透析医療の導入と経営再建
経営を立て直すために採用したのが、当時黎明期であった血液透析医療です。病棟を改造して1975年3月に透析室を開設して昼間透析を開始しました。透析患者の社会復帰を考えて夜間透析を開始したのが同年7月でした。1980年川崎クリニック、1997年昭島腎クリニック、2000年さいわい鹿島田クリニック、2008年さやま腎クリニックを開設して、石心会の経営基盤が確立されました。
社会問題への対応と自己管理医療の実践
1970~80年代は公害問題や薬害問題が社会的に大きく取り上げられた時期でした。川崎幸病院は大腿四頭短縮症や六価クロム公害には特別病床を設置して診断と治療にあたりました。私も含めて、多くの職員が公害問題や薬害問題にかかわりました。
「治療は患者・家族と医療スタッフとの共同作業である」と考えて、血友病の自己注射治療(1977年~)、家庭透析(1978年~)、在宅酸素療法(1979年~)、CAPD(持続携行式腹膜透析、1982年~)、在宅人工呼吸療法(1986年)などの自己管理治療に取り組んできましたが、それぞれは当時未承認の治療法であるため、地域と患者にニーズに前向きに応えるという石心会の設立理念がなかったら実現できなかったと思います。
私は、医療には「高度医療」、「いつでもみてくれる医療(救命救急医療)」、「心のこもった医療」の3つの側面が重要であると思っています。石心会グループとして3つの側面の充実に取り組んできました。
地域医療・救急医療の拡充
1979年に川崎幸病院地域保健部を設置して、訪問診療、医療相談を開始しました。
1984年には202床に増床して救急救命室、ICU,CCUなどを増設して救急医療機能を各段に高め、脳神経外科や循環器科(心カテーテル)などの専門医療を充実させました。現在では、日本有数の医療グループに数えられているのはご存じの通りです。
これからの石心会グループへ
今後の石心会グループの方向としては、「断らない医療」「患者主体の医療」「地域に根ざし、地域に貢献する医療」の基本理念を踏まえつつ、必要とされることなら前向きに取り組んでいくというイノベーションマインドを持ち続けることだと思っています。
振り返ってみますと、早くから地域医療の実践を掲げたこと、制度として認められる前から高度な在宅医療の取り組んだこと、地域保健部というセクションを設置したこと、早い時期から夜間透析や夕方診療に取り組んだこと、1998年川崎幸クリニックを立ち上げ病診分離を行ったこと、2000年に全室個室の特別養護老人ホーム「オリーブ」を設立したこと、川崎幸病院の新築移転時、幸区を中心に増床のための署名活動を展開して82,735人分の署名を集めたこと、「救急車断りゼロ!」を実践して川崎市の救急医療に大きな影響を与えたことなど、さまざまなイノベーションを実践してきたように思います。
今後も石心会グループの情報共有を密にして、着実に全うしてまいりたいと思いますので、職員の皆さんの協力と理解をお願いします。
【参考】
これまで発行された《海燕》は、こちらのURLよりお読みいただけます
https://www.sekishinkai.or.jp/umitsubame/
特集 ❷ 石心会グループの財務状況と投資計画の話

〜みんなで考える自分の仕事と経営とのつながり〜 (左) 社会医療法人財団石心会 専務理事/事務局長 医療法人社団新東京石心会 理事/事務局長 太田一也 (右) 医療法人社団東京石心会 常務理事/事務局長 社会医療法人財団石心会 財務経理部 部長 菅直人


みんなで考えたい、資金と設備投資のこと


私たちのグループでは、病院をはじめとした事業所を安定的に運営するために、資金の管理をとても大切にしています。一見、経営に関わる人だけが知っていればいい話に聞こえるかもしれませんが、実は日々の私たちの仕事や行動も、この「資金の流れ」に関わっています。


現金預金の目標と現状


まず現金預金についてですが、「月商の3か月分」、を確保しておくことを各医療法人の目標にしています(石心会は約130億円)。これがあると、急に設備を整える必要が出たり、予期せぬ支出があったりしても安心して対応できます。石心会を例に現金預金の推移を見ると、2018年度は53億円、2021年度には121億円まで増えましたが、2024年度末には91億円に減っています。コロナ禍の補助金や緊急借入で一時的に増えた時期もありましたが、近年は再び減少傾向です。この背景には、積極的な設備投資や借入金の返済があり、どちらも経常収支だけではまかなえない状況があります。


大型設備投資と現場への影響


今後も大型の設備投資が予定されています。川崎でのPACSの更新、埼玉では手術・生理検査システムの更新や電子カルテサーバの更新、横浜では新病棟の稼働に伴う設備・システムの整備、さらに川崎の検診部門ではTACシステムの総入替も控えています。こうした投資は病院のために必要ですが、現場の作業量も増えますし、限られたリソースで効率よく進めることが求められてくると思います。


皆さんに協力をお願いしたいこと


皆さんにお願いしたいことは、各事業所が取り組んでいく・いる事案について、「もっと効率よくできる方法」や「無駄を減らせる方法」を今一度考えていただければと思います。皆さんのちょっとした工夫でも全体の効率化によるコスト削減や生産性向上につながることがあると思います。


現状の課題は、「設備投資等の資金需要への対応と借入金の返済」です。しかし、どちらも経常収支だけではまかなえない経営になっています。一方で病院の業績は改善していますし、グループ全体の増益も見込んでいます。だからこそ、私たち一人ひとりが、業務の中で資源や時間の使い方を意識し、改善策を考えて実行し、病院をはじめとした事業所、グループ全体の安定運営につなげる必要があります。安定運営は職場環境の改善にもつながります。是非、本日から意識して業務にあたっていただければと思います。


特集 ❸ 【コラム】石心会の歩み

石心会の歩み #1 社会医療法人財団石心会 理事長

川崎幸クリニック 院長

杉山 孝博

杉山理事長のコラム「石心会の歩み」を、お届けします。
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※申し込み締め切り 2026年1月13日(月)