2024年03月25日
埼玉石心会病院 ER総合診療センター
救急外科診療科長/医長
渡邉隆明
救急外科診療科長/医長
渡邉隆明
日本DMAT隊員として元来災害派遣の経験がありました。災害経験のある人間として何か貢献できることがないかと思っていた所、1月半ばに派遣が決まり2月4日から9日までJMAT第八陣で石川県庁内の調整本部で活動してきました。今回、EMT課と事務部にしっかりと装備を整えていただき、安心して現地入りが出来ました。
本部業務でありJMATをメインで取り仕切る中核的な医師を支援し、各隊に現地の状況や活動時の注意事項を説明するブリーフィングをしたり、派遣場所の割り振りを考えるという位置付けでした。被災者と直に触れ合う事は一切なく、建物に挟まれた人を助けるような一般の方が想像しやすい形とは少し異なる活動でした。
被災してから地域を立て直していく過程で今回のような後の方の時期では、その地域で日常生活を取り戻す事を目指していきます。その際に、自分の意欲や技能だけに従って活動するのではなく、自分たちがいなくなってから現地で続けていくことも踏まえて医療を展開する必要があり、そこは意識しました。
災害医療で第1に大事な事は指揮統制ですが、これは災害医療に限らず重症診療でも、更に日常でも同様です。
日頃から指揮統制を意識した仕事の仕方を実践し身に付けておく事で、 災害時にも一部だけ頭を切り替えることで根本の土台を変えずに医療活動が出来ると思います。
救急医の素養として災害医療は必要な事だと思います。
現状で当院のみで満足できる体験の提供は難しいですが、災害医療に興味を持つ新しい医師に来ていただければ嬉しいです。EMT課や事務部、更には新しい医師と共に埼玉石心会病院が災害医療の一つの拠点として活動出来る基盤を作りたいと考えています。
派遣メンバー(左より)救急外科 渡邉隆明
看護部 桑久保千代美
EMT課 佐藤大致、中山遼介
事務部 平沼昌弘
現地の情報共有の様子
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